【お悩み】
将来の進路について悩んでいます。ずっと、アイドル歌手にあこがれて、歌やダンスのレッスンはもちろん、可愛くキュートなしぐさの研究や握手会のシミュレーション、紅白歌合戦に出場する時のステージ衣装も作りました。ですがそんな努力も虚しく、オーデションはことごとく落ち、スカウトはされず、芸能プロダクションも門前払い。こうして月日だけは無情に過ぎています。
そんな中、同じくアイドル歌手を目指している年上の男性と出会いました。互いに励まし合い、いたわり合い、くじけそうな時も二人で支え合ってきました。そうしているうち、ほのかな恋心が芽ばえ、それがだんだん大きく膨らんでくるのを感じている今日このごろです。
けれど、アイドルはファンのもの。特定の男性に恋することは許されません。発覚すれば致命的なイメージダウンにつながり、彼にも迷惑がおよびます。でもでもでも、私も一人の女の子。恋愛にだってあこがれます。アイドルへの道と恋心の板挟み。私はどうすれば良いのでしょう。
(女性、家事手伝い、44歳)
【回答】
最近は80年代に活躍した元アイドルたちがバラドルとして復活して、ブラウン管を騒がせたり(この表現もたいがいですが、といってもプラズマ画面を騒がして、とか液晶画面を賑わせて、といっても現実味ないですもんね)していますね。家事手伝いさんもライバルがいっぱいでタイヘンだと思いますが、最大のライバルはなんといっても“自分自身”です。その点、家事手伝いさんは、よくわかっていらっしゃることと察しております。なぜ、それがわかるかというと、“アイドル道”なるものを極めつつあると感じるからです。
実際にアイドルになれた人たちが、“アイドル道”を極めているかというと、そんなことはないのです。それは、結婚を機に引退したり、不祥事を起こして追放されたり、とそれこそ星のごとく消え去ることがほとんどです。人生の最後までアイドルを全うした人なんて皆無ではないでしょうか。
その点、家事手伝いさんは、いまだに“アイドル道”のど真ん中を元気に手を振り振り闊歩されていますよね。どんな失敗にもくじけることなく、「アイドルとはなにか?」を常に自問自答しながら人生を進んでいらっしゃいますよね。その一途さ、ピュアなマインドには、ただただ頭が下がる重いです。あ、変換ミスでした。頭が下がる思いです、でしたね。
ということで、本題に入らせていただきます。恋の悩みですね。でも、考えてみてください。アイドルはおならもしなければ、おしっこ、うんこもしませんね。げっぷなんて問題外です。お風呂に入らなくてもいい匂いがするし、髪の毛やツメが伸びたりもしませんし、呼吸しなくても生きていけるものですよね。そんなアイドルが恋をするなんて考えられません。そう、恋をする相手はファンみんなでなくてはならないのです。特定の個人に恋することはご法度。その時点で“アイドル道”をリタイヤすることになるのです。だから、この恋は忘れてください。酷だとは思いますが諦めてください。この失恋が、きっとあなたをさらに輝かせてくれるはずですから。
この文面だけでは家事手伝いさんが何年間、“アイドル道”を進んでこられたかわかりませんが、かなりの歳月をさいてこられたはずですよね。せっかくここまで来たのですから、とことん道を極められてはいかがでしょう。人生をアイドルに賭けてみてはいかがでしょう。人生80年時代です。まだ40年もありますよ。まだまだアイドル道は極められるはずです。「私も女の子」なんて気弱なセリフは胸にしまって、輝くアイドルをめざし続けてください。
恋人はファンでいいじゃないですか。決して「ふつうの女の子」なんかに戻ろうとしないでください。デビューの日を信じて、まっすぐ突き進んでいってください。期待しています。
王 敬寓