【お悩み】
お隣の奥さんは私より8歳年上のパワフルな方で、なにかにつけてお世話になっています。数年前から人形作りに熱中され、いつしか「作品」をいただくようになりました。が、とても下手なうえ不気味で怨念すら感じさせる人形なのです。当初は、お世辞のつもりで「お上手ですね」「ステキだわ」と褒めたのですが、それで気を良くされたようで、以来、新作ができるたびに喜び勇んで持って来られます。でも、今さら断ることもできません。
今、わが家には、ガラスケースに収められたおぞましい人形たちが327体もあります。部屋のスペースにも限りがありますし、もとより置きたくはありません。こっそり処分したいのですが人形に呪われそうで捨てる勇気もなく、ましてや何かと気にかけてくれている方なので恩義もあり、気分を害されても困ります。どうすれば気を悪くされずに「作品」をいただくのを断ることができ、これまでの人形を処分できるのか、良いお知恵をお授けください。
(派遣で働く独身バツイチ35歳女性)
【回答】
先日、探偵ものの某有名テレビ番組で「アメちゃんをくれる大阪のおばちゃんたち」が特集されていたようですが、ほんとうに大阪のおばちゃんたちは、おせっかいに屋根がつくくらいにいろんなモノをくれますよね。彼女たちは、相手の都合とか嗜好とかというとてもデリケートでアンニュイな心情をまるっきりムシして、自分の思考のみで、どんどん奉仕してくれます。そう、彼女たちは奉仕してあげているんだ、という自負があるので、断ったりするとエライことになるのです。とことん嫌われ、迫害されてしまいます。まったく困ったもんです。独身バツイチさんは彼女たちの毒牙にかかったムシみたいなものですね。心より同情申し上げます。
さて、この恐怖のプレゼントをどうするか、ですが。今、お手元に327体のお人形さんがあるのですね。この手持ちのお人形に関しては、毎年11月の第2土曜日に四天王寺さんで人形供養が開催されています。主催は大阪府人形問屋協同組合という本格的な供養です。来年なら11月8日となります。きっと327体もの人形を納めたら、びっくり仰天されるかもしれませんが、きっと丁寧に対応してくださるはずです。そんな先までは待てない、というなら大阪府豊能郡能勢町にある涌泉寺へ。毎年1月8日と6月の第二日曜日に供養祭がひらかれますが、通年受付してくれて、預かったお人形は毎日仮供養をして毎月始めにお炊き上げしてくれるようです。こちらに相談されるのも手かと思います。
これで、もらった人形への対応はなんとかなりますよね。で、いただくのをどう断るか、ですが。一番いいのは、こっそり内緒で引越してしまうことなのですが。そんなに簡単に引越しすることはできませんよね。となると、こっそり相手の方のおうちの玄関にそっともらったお人形を返しておきましょう。そこで、お人形の置き方に工夫をしてみてください。まるでお人形が自分で戻ったような雰囲気を演出するのです。独身バツイチさんは、返してから一週間ほど経ってから8歳年上女性に「この間、いただいたお人形が一週間くらい前から、見あたらないのよぉ」とさも不思議そうに、かつ残念そうに連絡してみてください。ついでに「今までいただいた人形は大丈夫かしら…」なんていいながら、毎週1体ずつ返していくのも手かもしれません。自分で人形供養するのが邪魔くさく感じるなら、この手をお勧めします。でも327体を1週間に1体ずつ返しても6年ほどかかるので効率がいいとはいえませんが…。うまくいけば、彼女のお人形づくりの趣味までも止めることができるかもしれません。もし、青ざめた顔をした彼女から相談があったなら、上に書いた四天王寺さんか涌泉寺さんをご紹介してあげてくださいね。
王敬寓