【お悩み】
先日、職場の仲間ら3人で「きつねうどんの正しいいただき方」について論争になりました。一人は「うどんを食べるのが目的なのだから、当然うどんからいただく」と言い、もう一人は「味の決め手はつゆにあるのだから、つゆからいただくのが本筋だ」と主張します。これらに対して、私は「きつねうどんなのだから、アゲからいただかないと意味がない」と異を唱えました。
それから論争はヒートアップ、それぞれが主張を譲らず険悪なムードが漂いました。以後、それまで仲の良かった3人の関係もギクシャクしたままです。どうすれば関係が修復できるでしょうか。
(男性、42歳、団体職員)
【回答】
喝!喝!喝!喝!喝!喝!喝!喝!喝!喝!喝!喝!喝!喝!喝!
キミたちは、いい歳こいて、なに甘いことを言っておるのですか!いまや衆院と参院にねじれ現象が起き、イージス艦の秘密は中国に漏洩され、隣の白犬ポチが眉毛を書かれてしまうというご時勢です。うどんごときになぜ、そんな論争を繰り広げますか。しかも論点が甘い。甘すぎる。
まず麺からいただくと主張する彼。麺といってもいろんな種類があるのですよ。本場讃岐の手打ち麺なのかすがきやの工場生産品なのか、乾麺を戻したものなのか。それぞれの種類によって食べ方も異なるのです。たとえば、丼の中のどの位置にある麺をつまむのか。讃岐の手打ち麺ならどこの麺をつまんでも同じですが、すがきやなら腰が弱いので、なるべく温度が下がりやすい縁の辺りから食べ始めなければなりません。そんなこと、ご存知の上で論争されていますか。
つゆからいただくと論じる貴兄、だしはどうなんですか。かつおとこんぶの比率はどんだけ〜? しょうゆはどこのメーカーのものを使っているのでしょう。温度はどれくらいがベストですか。つゆひとつにしても、とても深いのです。
そして、相談者のあなた。簡単にアゲと言っていらっしゃいますが、これは大切な具です。もっと大事にしてください。名画「たんぽぽ」では、大友柳太郎演じるご隠居様がラーメンの正しい食べ方を伝授しますが、チャーシューは主役として扱われ、大切に愛おしく粘って粘って、後回しにされて食べられます。アゲだって、それくらい大切に扱っていただきたいものです。
それほど食に関する事柄は広く深い知識と経験が必要なのです。通り一遍の知識のひけらかしで、仲悪くなるなんて笑止千万です。ぜひ反省していただきたい。己の器の小ささを悟っていただきたい。と、いろんなお小言をツラツラと綴ってきましたが、結局は、おいしいと思って食べれば、どんな食べ方をしたって「きつねうどんはおいしい」のです。
アゲで麺をサンドしながらほおばって、つゆで流し込むなんて食べ方でもOKなのですから。理屈をこねている暇があったら、みんなでふーはーふーはー言いながら、うどんに舌鼓を打ちましょう。きっと、すぐに仲直りできますよ。
王敬寓